びまん性汎細気管支炎
(S,Sさん、30代男性、東京都在住)
気の経絡タオ療法体験記
「あなたにはチャンスがある。タオ指圧で良くなる(という)。」
かつて東京タオサンガセンターで施術をしていたツビカ・カリサール先生はそう言った。
私は、びまん性汎細気管支炎という長ったらしい名前の慢性病を患っている。難病指定で治らないとされている病気だ。
私がタオ指圧を受け始めたのは約4年前、初回の治療を受けた時は体力がかなり消耗しており、ツボを取る前の全身施術である基本手技をまともに受けることすらできなかった。冒頭の言葉は何度か弱めの治療を受けて身体が指圧になじみ始め、ようやく通常の治療が受けられるようになった頃に、その後の長い回復過程を見越されたのか患者である私に決意を促すように言われたものと思う。
当時の私には肉体的な苦しさに圧倒されて、さっさと止めを刺してほしいという自滅的な気持があった。しかし、いざとなると死にたくない、どうにかしたいとあがき、どうしてこんなことになったのだろうと色々考えたりして、内向きな思考回路のまま気力まで失せていった。今だから思えるけれど病気が良くなるためには前向きな気持が本当に大事だ。しかもそれを持続させる気力が必要になる。私はツビカ先生の言うチャンスを選択した。その道で這い上がって行こうと決断した。
その日の治療の帰り際、ツビカ先生と目が合うと彼はコブシを握りしめ、私に向かって力強いガッツポーズをして見せた。彼の瞳の中に疑いのない真っ直ぐなものを感じた。「ガンバレ!!負けるな!!」という気合が入ってきた。
私もまさか外国の方に指圧をしてもらい、気合まで注入されるとは思わなかったが、それはとても効き目があった。忘れていたものを思い出した。
その後、時間はかかったものの毎週治療に通うことで私は回復した。病気が完治したわけではないが体は見違えるほど良くなった。養生をすれば日常生活は十分にこなせる。これはとてもありがたいことだ。そして人生には単に病気が治る、治らないよりももっと大切なものがあるとさえ思えてきた。新しい地平が開けたのである。タオ療法には癒しばかりか何か導きのようなものまであると感じた。
